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タイトル81 自己紹介へ

センダイムシクイに会った朝

低く飛んだ鳥が植え込みの中へ入る。瞬間の印象はヤブサメコルリ。確認のために立ち止まっていると、突然植え込みから飛び上がり枝にとまって再び植込みの中へ。ムシクイだ。
こんな行動をとる奴はエゾムシクイだろうともう一度飛び出すのを待つ。葉が動く、時々顔や体の一部が見える。やがて植込みの端から歩いて出てくる。
いつもは腹ばかり見せられるムシクイだが今日は上から見下す。頭央線がはっきり確認できる。エゾでなくセンダイだ。
近くで見ると小さい、本当に小さくて可愛い。野鳥は双眼鏡で見るより肉眼で見ると小さいものだ。かつてアオバズクを保護して箕面の山中へ放した事があったが、掌中のアオバズクはこんなに小さかったのかと驚いたものだった。
かなり近距離にもかかわらず警戒しない。植え込みから出入りしながら縁を歩く。私も一定の距離を取って一緒に回る。時々植え込みから離れてどんどん前に出てくる。芝生の上を歩き回るハクセキレイと変わらない。
その昔、ヤブサメが茂みから出てきて、私の横を通過して向かいの植え込みに移動した事があった。私は身を固くして瞬きもできずに姿を追った。また、鳥友T氏がシギチの撮影時、キョウジョシギが近づいてきて、やがて自分の股間を通って進んでいったという「キョウジョシギの股くぐり」の逸話もある。
このセンダイムシクイもとんでもない奴だ。とうとう手を伸ばせば届く距離まで近づいてきた。携帯でも瞳のアップの撮影ができる。
思わずとんでもない事をしてしまった。手をのばしてセンダイムシクイの頭央線を撫でたのだ。いけない行為と分かっていたが欲求にあらがえなかった。いわゆる「魔が差した」
ところが、センダイムシクイはいやな顔をせず許してくれた。高校生のころ公園のベンチでおそるおそる彼女の肩に手を伸ばした時を思い出した。そのまま許してくれた彼女がどれほど可愛かったことか。肩に伸ばした手に力をいれて引き寄せると、彼女はそのまま人形のように私に身体をあずけた。
頭を撫でた手で、そっと上からセンダイムシクイをつかんだ。小さい。そして暖かい。手の中で、あばれもしないでじっと私に身を任せている。野生の小鳥を手でつかむ行為に、罪の意識と抑えきれない衝動。心臓は破れんばかりの鼓動。嗚呼!センダイよ。

センダイムシクイの写真

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