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タイトル54 自己紹介へ

秋を待つ鳥閑期

初夏に北海道へ観光兼鳥見の旅行に出かけた。私一人なら鳥見三昧だがそうもいかず、途中の観光地にも立寄って、合間に鳥も見て、の旅だった。
いまさら北海道鳥見行の話でもあるまいが感動の余韻が残っているので少しだけ。
往きの日本海航路のフェリーではノゴマ♂♀1羽、メボソムシクイ3羽、ササゴイ2羽が同乗した。日本海の島には渡りの野鳥が多いことが想像できる経験だった。
北海道ではシマアオジやクマゲラなど初めての鳥との出合いもあった。その上聞いていた通り各所で飽きるほどコヨシキリがさえずり、黒くなったノビタキや赤の目立つベニマシコなどいたるところで目にした。
秋冬に見る姿とは違う美しさにあらためて感動した。
帰途の太平洋航路でも海を眺め続けた。しかし海鳥の経験が皆無で全く識別が出来ない。
後日、知人からの手紙に同航路での鳥見結果があった。そこには何と30種を超える鳥が並んでいた。残念で悔しい思いも無くはないが焦る事はない。

□   □   □

7月8日大阪城公園でクマゼミの初鳴き。いつもの事ながら頭が痛くなるほどの合唱がすでに始まっている。
これだけ単独の種が多いのは自然が貧弱だからだろうか。巣箱でも設置すればアオバズクの2組や3組くらいは十分繁殖できるのでは。ただし、カラスの影響は別として。
公園内を一通り回るが、鳥は寂しい限り。数羽のカワウが南外堀の石垣に上がって羽を乾かしている。夏でも普通に見られるようになってきたが、今後も増えるのだろう。
人工川へ回ると水が止められていて、干上がったところでザリガニの死体がいくつも目に入る。残った小さな水溜りではメダカがそれこそ芋の子を洗う状態で泳いでいた。

□   □   □

鳥友の奥村氏は野鳥の古書を見つけるのがうまい。何時も、「こんな本を見つけたが持っているか」とメールをくれる。お陰で小さな書棚は溢れて床に並べるほど。
ただ、読むのが追いつかず、未読の本が十冊ほどにもなってしまっている。こんな鳥閑期こそ読書によさそうだが、この暑さはいけない。
本を読むのはやはり秋が一番、厳しい冬もいい。ところが真夏は駄目だ。頭も身体も読書を受け入れなくなっている。
そんな中で最近読んだ本で面白かったのは小林清之介著毎日新聞社刊の「小さな博物誌」。
昭和47年発行の古い本で、これも奥村氏の紹介で買ったものだ。鳥、けもの、虫その他の動物と博物に関する随筆だ。
あっさりした文章で味がある。私の好きな文体で、肩がこらずに気軽に読めた。これなら夏でもいける。

54号掲載(2002年8月)

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