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「毒を吐く」
2015年のお城での鳥見は、1月17日が最初になった。正月明けに風邪をひいてしまって。
      お目当てはオジロビタキ、大晦日には出逢えなかった。
飛騨の森には数人のカメラマン。既に、彼らの前で愛くるしい姿を披露している。
時折、足下2m位まで近寄ってくる。人懐っこい鳥だこと。暫し観察した後、私は「虫探し」へ、村上♀はその場に残り1時間以上鳥さんに遊んでもらっていた。
何やら地面に降りて、イモムシを食べていたとか。20倍のコンデジで撮った中に、虫をくわえたものがあった。

      黄褐色のイモムシ状の虫、からだの後半部が少し切れている様に見える。
      写真で見る限り1.5CM位だろうか。
      なんだろう……
      もしかして、ミルワ-ム?餌付けされていた?
      だとしたら納得がいく、鳥さんの方から近寄ってくる警戒心の無さも。
      私達が行く前か、前日に撒かれていたのかも知れない。
      餌付けについては色々な意見があるのは承知している。個人的には良くは無いと思うが、case by caseで考える必要があるとも思う。。絶滅危惧種に餌を撒く場合、庭の枝に輪切りミカンをさす場合、腰掛けたベンチに寄ってきたスズメやドバトにパンくずをやる場合など色々有るだろう。
      けれども、ミルワ-ムを撒くことには違和感を感じてしまう。
      ペットショップで容易に買うことの出来るミルワ-ムって何だろう?
      ゴミムシダマシ科
      チャイロコメノゴミムシダマシ
      の幼虫がその正体です。
      国立環境研究所の侵入生物データベース「日本の外来種全種リスト」の中には、定着種として載っている。
      温帯ヨーロッパを生息地するこの虫が、いつ頃侵入したのかは不明らしいが、ミルワ-ムが流通し始めたのは1980年代だという。
      穀物害虫であるが、国内の穀物貯蔵庫での被害は確認出来ていない…とも。
      ミルワ-ムを撒くことは、外来種をせっせと野に放つ行為に他ならない。餌付け以前の問題である。
    灌木に隠れた小鳥を誘い出す為にミルワ-ムを撒く男、それを当然のように囲むカメラマン達は、動物使いの回りに集まったギャラリーにも見えてくる。サ-カス小屋のようで滑稽でもある。
 さて、後味が悪いので別の話題をひとつ。以前からキノコも観察していたけれど(実は隠れキノコファン)、エノキタケを見つけたのでその報告です。
    11月8日、沖縄復帰の森にあるエノキの切り株に生えていた。既に十分生長していた。
    
珍しいものでは無い。市販のエノキタケと同種である。暗室菌床栽培された市販品と違うのは、傘の色。
      かつてお城で見つけたエノキタケを食べた人がいると聞いていたので、いつかは目にすることが出来ると期待していた。
      冬に生えるキノコは限られているので、浅学の私でも識別出来る。
      残念ながら11月末には朽ちてしまった。
    そして本年1月17日、同じ切り株に幼菌が芽を出した。
    
昨年より大きな株である。
      1月24日、少し大きくなっている。冬のキノコは生長が遅く、観察できる期間が長い。
    初中終お城に来ることが出来ない私にとって都合が良い。
    
      この話しが載る頃はどうだろうか。もう朽ちているだろうか。もしかしたらまだ残っているかも知れない。
    興味のある方は、覗いてみては如何。